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BOTTEGA AL Fortuna(ボッテガ アルフォルトゥーナ)
飲食店デザイン
外観・内装デザインについて
このお店は、イタリアン料理店の中でも結構お気軽なタイプのお店で、ボッテガと言う名前が付けられている庶民的なタイプのイタリアン料理店です。
建物の2階にあり、大通り沿いに面し、そのガラス面にはこのお店のモチーフである鳥がデザインとして使われアピールの言葉と一緒に看板の役割として使われています。これが実は外装デザインであると言うことになる建物構造です。
オーナーからあった唯一の要望は"赤を使ってください"と言うものでした。スーパーボギーデザインとしては赤はとても珍しく、嫌いと言う色なわけでは無いのですが、柔らかいデザインをしたときに赤を入れたりすると強くイメージになり、せっかくの柔らかさが消えてしまうと言うマイナス面があるため使わないことが多いと言うだけのことです。なので赤を使って欲しい言われたときは少し嬉しかったように記憶しています。
真っ先に内装デザインとして、15種類位の赤い大きさの違う質の違うタイルを用意して、それを壁面にラインを何層にも重ねて貼ったりすることで、同じ赤でも種類の違う赤を並べることによって個性を演出しています。
デザインしててもどこにもない個性が作りたくて、それがとても面白く、お客様の評判もよく、良い雰囲気を醸し出しています。
ロゴデザインについて
店名のアルフォルトゥーナとは未来のことを意味しています。そのため、モチーフには時の鳥と言う名のある鳥のデザインを採用し、未来と言うものを思い描くお店として運営していけることを楽しみに、オーナー自らがつけられた店名なのです。
ロゴデザインの英字一つひとつももちろんオリジナルとして制作しています、デザイナーとしては、何でもないようなロゴタイプを作り出し、お店のランクとしての高さを意識し、少しとっつきやすい庶民的なロゴタイプを意識して提案したものです。客層やお店の運営レベルと相違があるロゴを制作してしまうと、どこか狂いが生じ、お客様の評判も下がり、リピート率も上がらず、成果の低いお店ができていく要因となることもあるので注意が必要です。
このロゴやモチーフによりチラシを含め、ショップカードやメニュー帳に至るまで統一感を持って制作されて、お客様の目に触れることで、お客様が安心感を得るようなそんなブランディングが必要だと感じるような好立地でもあり、名古屋で1番セレブ感の強い立地にあることで、庶民的であることの方が愛される店になっていると感じています。セレブな方にとってはセレブ感が強いお店は、慣れっこで気楽に行けるイタリアンの店が欲しいと言う思いが通じたのかも。
企画・構想・エピソード
このお店のオーナーは、いくつかの有名店で修行を積んできたプロ中のプロと言えるオーナーシェフです。にもかかわらず、高級店にとらわれることなく、庶民的なお店を作ろうとしたのは何故だったのでしょう。おそらく気楽に料理を楽しみたかったのかもしれないですね。きっとそんな気がしてなりません。
企画や構想を練る段階で、高級感と庶民的な発想のズレが生まれ、デザイナーとのあいだにも少し発想の差ができてしまったように思いましたが、オーナーの気持ちを聞いてからは違和感なく進めることができ、ちょうどいい位の品のある庶民派のお店ができたように思います。
飲食店と言うのは、オープン前に必ず企画構想を練るわけですが、しっかりとしたコアターゲットを絞り込むことで見えてくるものがあります、それはワインの値段とかスイーツの値段とかに特に現れてくるものです。この店には気取った感じがなく、居心地の良いちょうど良いお店としてリピート率の高い飲食店として価値を認められたのではないかと思っています。
オーナーの最初のご相談からは、完成形を見抜くことができなかったです。とても珍しいことですが、こんなこともあるからこそデザイナー冥利に尽きる繁盛と言うができたことがとても嬉しいですね。
- 名古屋市千種区